食文化調査関連のお知らせが多かったので、ここで基幹研究である麹菌の研究について紹介したいと思います。
研究テーマとして「麹菌株のゲノム解析」を掲げていますが、「どんな麹菌を解析するのか?」と思うかもしれません。
当講座では種麹屋さんで保存されている、様々な株を解析していきます。
様々な=見た目や能力、用途の異なる菌株 目標は 100株 です!
菌株収集に際しては、種麹メーカーの方々に多大なご協力をいただいております。
ここでは一部の株を紹介します(なお、背景の模様は撮影台の模様が透けているものです)。
清酒用
味噌用
醤油用
これらの株は種としてはAspergillus oryzae(アスペルギルス オリゼー)と思われます。同じ種でもこれだけ違うのは驚きです。
次は別の種になります。
焼酎用
黒い方は今までで一番綺麗な形に培養できました!
次の写真は培養した2種類のAspergillus oryzae株を横から撮ったものです。同じ日数培養したものですが、菌糸(中央の盛り上がった部分。上の写真ではちょっと緑がかっています)の長さが全然違いますね。
見た目、能力が違う、ということは、それらに関わる遺伝子の活性、あるいはゲノム(遺伝子を含む遺伝情報全体)の構造が違う、ということです。
それらを実験や情報解析で見つけ出していくことになります。
日本の発酵食品になくてはならない麹菌。新たな発見ができるように研究を続けていきます。